外国人が日本語の学習を進める上で大きなカギを握るのが、文型の理解と習得です。それには、わかりやすい説明が必要であることはもちろんですが、学習者がより望むのは、いい例文がたくさんあることです。本書は、それを最大の特徴としています。
各文型ごとに、意味・用法・接続のしかた・モデル会話・例文・解説がまとまっているので、見やすく整理がしやすいです。
2.特長
①豊富な例文とモデル会話
例文は日常よく見聞きする短いものばかりなので、実際のコミュニケーションに自然にフィットします。また、文型が使われる場面や細かいニュアンスを理解するのにとても効果的です。
②N1・N2中心の500以上の文型
日本語能力試験N1・N2レベルを中心に、500以上の文型を取り上げているので、試験対策にも役立ちます。
3.使用例
日本語能力試験の対策授業はもちろん、通常の初中級授業にも使っています。豊富な例文以外に、「解説」ではどのような場面で使うのか、使ってはいけないのかが記してあり、類似文型との違いがはっきりとわかります。この違いをきちんと伝えることが、学習者の理解を深めるポイントとなるでしょう。
しかし、どの文法書にも言えることですが、教える際には他の文法書も必ず併用し、詳しい説明ができるように準備しておくことが大切です。
(小川)
*アスク出版編集部編『“生きた”例文で学ぶ! 日本語表現文型辞典』、アスク出版、2008年。